PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis)

プレップと読みます。
曝露前予防と言われ、性行為などのリスクのある行為に備え、前もってHIVの予防薬を内服する方法です。

ウイルスの増殖を防ぐ2種類の成分を配合した薬の濃度をあらかじめ体内で高めておくことで、万が一、体内にHIVが入り込んでもウイルスが増殖しない環境を作ります。毎日欠かさず1日1錠の服用を続ける事ができれば、高い予防効果があるとの成果が出ています。

高いHIV予防効果

米国FDAにより90%以上の効果があると報告されております。
またアメリカ疾病予防管理センター(CDC)のWebサイトに以下の記述があります。

PrEPは、高リスクの人々のHIV感染のリスクを最大92%低下させることが示されています。(訳)
PrEP has been shown to reduce the risk of HIV infection in people who are at high risk by up to 92%.(原文)
https://www.cdc.gov/hiv/risk/prep/index.html

また同性愛者を中心とした544人を対象に行った研究結果では86%の効果を上げています。 (感染者のうち、1人は開始時に既にHIVに感染が発覚、2人は薬を飲んでいない期間が長かったことが判明。)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673615000562

他にも多くの研究機関によりPrEPの有効性が示されており、各種の実験の裏付けがWebサイトにて公開されています。
日本での認知度はまだまだですが、少しずつメディアなどで紹介されるようになりました。

・錠剤を毎日1粒の飲む「PrEP」がゲイのHIV感染リスクを劇的に減少させることが明らかに
https://gigazine.net/news/20181022-prep-stop-hiv/

・世界で広がる新しいHIV感染予防策「PrEP(プレップ)」日本でも議論へ
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/hivprep?utm_term=.wunMp8zw8d#.mtNZw5Yp5r

・HIVの感染防ぐ青い錠剤、ギリアド「ツルバダ」で新規感染が減少 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-18/OUVYQ36K50XS01

・教えて!HIV/エイズの最新情報【第三回】曝露前予防(PrEP・プレップ)の日本での可能性とは?
http://life.letibee.com/hiv-information3/

・PrEP(プレップ)とは?最新HIV事情と効果的な予防法
https://allabout.co.jp/gm/gc/472434/

・映画を通じて、知り考えてほしい。新しいHIV予防法「PrEP」
https://readyfor.jp/projects/prepfilmtokyo

ネックとなるコスト

主に国内ではツルバダ(Truvada)という薬が使用されます。
効果は多くの臨床試験で認められ、WHOやアメリカのFDA(食品医療薬品局)も認可しています。承認申請の段階を含めますとヨーロッパとアジアの10カ国ほどになります。

ツルバダの日本での薬価は、現在、保険適用外となるため1錠3863.6円、1ヶ月で11万5908円、仮に1年間続けた場合140万円程度、薬以外の診療代も含めると年間150万円以上の非常に大きな負担となってしまい、手軽に日常的なHIV予防を行う選択肢としては非現実的であり、日本での普及に大きな弊害となっております。

ジェネリック薬という選択肢

インド国内で製造、販売されているツルバダのジェネリック薬の抗HIV予防薬の合剤「Ricovir-EM」という薬は、1ヶ月分で1万円ちょっとで購入でき、薬効や有用性、服用方法もツルバダと同じになります。月約1万円少しなら日常的なHIV予防として、魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。

※ジェネリック薬とは?
「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、「新薬(先発医薬品)」の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ有効成分、同じ効き目の価格の安い薬です。

PrEPジェネリック薬「Ricovir-EM」詳細はこちら

Q&A

・どのような人が対象になりますか?
HIV感染のリスクがある方にはすべて有効です。 特にゲイの方やHIVポジティブのパートナーがいらっしゃる方の間で注目されており、PrEPを行うことでより安心した生活が期待できると思います。
・PrEPを行う条件はありますか?
HIV陰性であることが、PrEPを実施するための条件になります。

HIVに感染したかどうかは、感染の可能性がある行為の直後にすぐに検査を受けてもわからない可能性があります。その行為から2ヶ月から3ヶ月程度はウィンドウピリオドと呼ばれ、HIVに感染していても検査してわからない期間になります。PrEPを行う場合は、ウィンドウピリオドも考慮した上で確実にHIV陰性であることが必要です。

万が一、HIVに感染している人が服用すると、HIV治療に必要な有効成分が足りず、抗ウイルス薬に耐性を持ったHIVウイルスが体内に出現する可能性があり、結果的に、感染者としての治療を開始する際に治療の選択肢が狭まる可能性があります。

また、B型慢性肝炎を患っている方、腎機能や骨密度に問題がある方は、PrEP開始前に医師にご相談ください。
・HIVウィルスにすでに感染していますが、PrEPの薬で治療することはできますか?
できません。

PrEPで使用する薬はHIV治療薬ではありません。この薬にはHIV治療に有効な成分の一部が入っていますが、HIV治療には他の成分も必要になるため、通常、複数の薬を併用することになります。医師の指導の元、適切なHIV治療を行ってください。

HIVの研究も日々進歩しているうえ、より効果的な治療薬が出てきています。現在は治療方法や薬がとても進歩しているので、薬を飲み続ければ、エイズの発症を抑え、それまでと変わらない生活を送ることができます。
・一度服用すれば、その後PrEPをやめてもHIVに感染することはなくなりますか?
いいえ。

PrEPで使用する薬はHIVワクチンではありません。1日1回の服用を続けている期間に限り、効力を発揮します。服用をやめた場合は効果はなくなります。
・抗HIV予防薬を服用していれば、コンドームをつけなくても大丈夫ですか?
抗HIV予防薬はHIV感染の確率を劇的に下げることが出来ますが、HIV以外のヘルペスや淋病、梅毒のような性感染症への予防効果はありません。
また、コンドームと併用した方がHIV感染率をさらに下げることができます。
コンドームの重要性は変わりませんので、セーフセックスを心がけるようにしてください。
・「Ricovir-EM」1種類の服用でPrEPを行えますか?
「Ricovir-EM」は2つの成分が含まれた合剤になりますので、こちら1種類でPrEPの実施が可能です。
・薬はどのように服用すればいいですか?
薬は1回1錠を1日1回、決まった時間に飲んでください。
7-20日ほどで予防効果が最大に発揮されるという研究結果が出ています。
食事と関係なく服用可能です。
飲み忘れることなく毎日無理せず続けられる時間やタイミングを決めて服用してください。
・薬はどのように保管したらいいですか?
薬は乾燥剤入りのボトルに入っていますので、ボトルのまま常温で保管してください。
冷蔵庫などの低温、車内などの高温、直射日光や多湿な環境は避けてください。
旅行などで薬をピルケースなどに入れて持ち歩いても問題ございませんが、1週間分程度にとどめましょう。
・薬を飲み忘れてしまいした。
飲み忘れていることに気づいたら、すぐに飲みましょう。
朝飲むはずの薬を夜になってから飲み忘れていることに気づいたら、すぐに薬を飲んでください。
翌朝はいつも通りの時間に服用してください。
・薬を飲んだかどうかがわからなくなってしまいました。
薬を飲んだかどうか分からなくなってしまったら、とりあえず薬を飲んでください。 たまに、1日に2回薬を飲んでしまうことがあっても問題ありません。
このような状況が頻回にある場合は医師にご相談ください。
・PrEPにはHIV予防以外に効果はありますか?
薬の副次的な効果としてB型肝炎ウイルスの感染も防ぐ可能性が高いですが、その他の性感染症を防ぐことはできないことにもご注意ください。
・どんな副作用がありますか?
PrEPで使用している薬は、B型慢性肝炎の治療薬でもあるテノホビルが含まれています。
B型慢性肝炎の方が、PrEPの薬の内服を中断すると、B型肝炎が急激に悪化する可能性があります。

PrEP開始後、腹部膨満感や吐き気、下痢などの症状が出現することがありますが、その程度は軽いものです。
症状は数週間以内に消失するでしょう。
これらの消化器症状は、食後に薬を飲むとか、もしくは寝る前に薬を飲むなどの工夫によって軽減することがあります。

頻度は少ないのですが、まれに腎臓の機能が低下することがあります。
そのため、定期的に腎機能をチェックをおすすめします。
腎機能の低下が認められた場合には、PrEPを一時中断し、腎機能の回復を待つことがあります。

PrEP開始後に骨密度の低下が起こる可能性があります。
その変化はPrEP開始後数か月間に起こり、以降骨密度の低下は見られません。
また、骨折の頻度が増えることもありません。PrEPを中止すると骨密度は速やかに回復します。
・持病があって薬を飲んでいます。飲み合わせが問題になることはありますか?
治療が必要な合併症(持病)をお持ちの方、薬を飲んでいる方は、PrEP開始前に医師にご相談ください。
・PrEP中にホルモン治療を受けることはできますか?
PrEP中にホルモン剤を飲むことは問題ありませんが、飲んでいるお薬は全て担当医に知らせてください。
・PrEP中にお酒を飲んでもいいのでしょうか?
PrEP中にお酒を飲んでも問題ございません。
・PrEPを始めたらずっと飲み続けなくてはいけないのでしょうか?
PrEPを中止した場合は、予防効果がなくなることにご注意ください。 もちろんパートナーとの関係や性交渉の有無など、ご自身の状況や環境によってHIV感染リスクは変化します。
HIVへの感染リスクがなくなったり、他の予防方法によって感染を防ぐことができていれば、PrEPは必要ありません。
・性交渉するときだけ内服するのではだめですか?(on demand PrEPについて)
PrEPは「1日1回1錠の内服を毎日続ける」という予防方法(daily PrEP)が基本となりますが、海外では「性行為の前後の数日間だけ内服する」予防方法(on demand PrEP)も「daily PrEP」と同程度の予防効果があるという報告があります。
しかし、現時点ではまだ科学的な根拠は十分ではないため「daily PrEP」を推奨しています。

「on demand PrEP」の服用方法
性交渉の前に2錠、翌日から1錠ずつ2日間服用

「on demand PrEP」におけるフランスとカナダの研究結果
http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1506273
・PrEPを開始した後に、HIVに感染してしまった人はどのような人ですか。
1つは、PrEP開始時にすでにHIVに感染していたにもかかわらず、ウィンドウピリオドであったために、感染していることに気付かずにPrEPを開始し、その後HIV感染が判明したという状況です。
もう一つは、PrEP開始後に薬の内服がいい加減になったり、飲むのをやめてしまった方の中に、HIV感染が起こっています。

PrEPを始める前に、しっかりとHIVに感染していない事を確認すること、PrEP開始後は飲み忘れなく薬を飲むことが重要です。

Ricovir-EM(PrEP 抗HIV予防薬)

9,800円 / 1本30錠(30日分)
16,800円 / 2本60錠(60日分)

ご注文
※個人輸入に際しては、薬機法に定められた範囲内(2ヶ月分)でご注文ください。
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※お届けまでの期間はあくまで目安となり、配送状況や通関により変わります。余裕をみてご注文いただければと思います。
※付属する説明書は英語表記になります。
※外箱は付属しないことがありますが、正規品ですのでご安心下さい。

◯ 商品説明

Ricovir-EMは、薬効成分としてテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩とエムトリシタビンを含有する抗HIV薬です。
日本国内では、本剤と同薬効成分が同量配合されている薬剤としてツルバダ配合錠が承認されています。
Ricovir-EMは、ツルバダ配合錠のジェネリック薬品になります。

参考:ツルバダ配合錠
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6250103F1036_1_07/

Ricovir-EMは、エイズウイルスのHIVが増殖するのに必要な、自身を複製する際に働く酵素である逆転写酵素を阻害します。
それにより、ウイルスの増殖を抑える作用と、免疫を受け持つリンパ球であるCD4陽性リンパ球の数が減り、免疫の低下を抑えます。
それにより、免疫機能を改善、エイズの発症や進行を遅らせるといわれています。

HIVの治療において、ウイルスの耐性化を防ぐため、多剤併用療法が基本となりますが、本剤は配合錠であるため、服薬負担の軽減が期待されます。
また、本剤1錠を服用した場合と、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩、エムトリシタビンをそれぞれ単独で服用した場合とでは、同一の薬効を示すと考えられています。

通常、他の抗HIV剤と併用し、HIV感染症の治療に用いられる本錠をPrEPとして使用します。

◯ 用法・用量

1回1錠を1日1回、決まった時間に経口服用してください。
食事に関係なく服用することができます。

この薬は飲み忘れると効き目がなくなる恐れがあるために飲み忘れないことが大切です。
万が一飲み忘れた場合は、気がついたときにすぐ1回分を飲んでください。
ただし、次の通常飲む時間に近いときは、忘れた分は飲まないで1回分をとばしてください。
その後は指示された時間から薬の量を増やさずに1回分を飲んでください。
絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

誤って大量に服用した場合は、直ちに病院に相談し医師の診断を受けてください。

◯ 内容量

1本あたり30錠(1日1錠、30日分)

◯ 成分

テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(Tenofovir Disoproxil Fumarate) 300mg
エムトリシタビン(Emtricitabine) 200mg

◯ 注意事項

B型慢性肝炎を合併している方は、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意してください。

◯ 副作用

Ricovir-EMを使用している間、以下項目に該当する、もしくは、不快な症状や気になる症状がある場合は、すぐに医師の診断を受けて下さい。

【主な副作用】
発熱、むくみ、貧血、けいれん、意識混濁、頭痛、喉や口の渇き、嘔吐、吐気、悪心、胃痛、腹痛、食欲不振、背中の痛み、手の震え、急激な排尿量の減少、無尿

【重大な副作用】
腎不全、重度の腎機能障害、膵炎、乳酸アシドーシス

【その他】
Ricovir-EMを含むHIV感染症の薬を服用すると、体脂肪分布が変化し、手足や顔が痩せたり、腹部まわりが大きくなったりする事があります。
Ricovir-EMの有効成分の一つエムトリシタビンを服用する事により、小さなシミやホクロの様な皮膚変色が主に掌に現れる事があります。
Ricovir-EMを含むHIV感染症の薬を服用後、免疫力が回復して日和見感染症などに対して発熱や下痢などの炎症反応が現れたりする場合があります。

◯ 保管方法

乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて常温で保管してください。

◯ 製造国

インド

◯ 製造元

マイラン製薬(Mylan Pharmaceuticals)